「おー!ハロルド!」


ぱっ、と表情を明るくして声をかけたランバートに、彼は瞳をキラキラさせた。

どうやら、知り合いのようだ。

ガタイの良い男性は、明るいトーンで続ける。


「ランバートさん、お元気そうで何よりッス!皆さんも、お変わりないっッスね!」


勢いに押されたようなルタが、半ば鬱陶しそうに呟く。


「そういうあんたも相変わらずだね。暑苦しい。」


「あは!ルタさんてば、冷たいッスねー!」


目を細めたルタに、ハロルドと呼ばれた彼はニコニコと笑っている。


(元気な人だな。ルタの態度にショックを受けてた私とは大違い。)


彼は、ぱっ、と見ただけで人が良さそうなのが伝わってきた。

ガタイが良くてはつらつとした男性は、どうやらレガリアの隊員のようだ。

その時、ふと私と目が合う。


「お?知らない顔ッスね。どちらさんで?」


どきり、とした時、ハロルドさんの言葉にランバートが答える。


「この子はノアちゃん。今、一緒に旅をしている俺の連れなんだ。」


「ほぁ!そうだったんスか!」


ハロルドさんは、私に向かってにっこりと笑みを浮かべた。


「ノアさん、初めまして!自分のことは、ハロルドって呼んでくださいッス!一応、レガリアの部署では係長ッス!」


「よ、よろしくお願いします」