その時。

彼らが、はっ、と言葉をつぐんだ。

状況を察したように眉を寄せる。


「…そっか。」


小さく聞こえたランバートの言葉は、どこか悲しそうな声音だった。

私は、エーテル達が抱えている何やら複雑そうな過去について興味はあったが、ずけずけと質問することは出来なかった。

その時、はぁ、とため息をついたイヴァンさんにルタが声をかける。


「…迎えに行くの?」


「それしかねぇだろ。」


保護者組は“厄介ごとには慣れている”、と言わんばかりに渋々歩き出した。

私も、そんな彼らに続いてランバートと共に歩き出す。

まさか、こんなことになるなんて想像もしていなかった。


(…イヴァンさんの予言が当たったな。
…ロルフさん、レガリアから上手く釈放してもらえればいいけど…)


こうして私たちは、街の中心部にそびえる白い塔に向かって歩き出したのだった。