大剣のエーテル


(ランバート…!)


ちょうど彼のことを考えていた時だっただけに、普通以上に意識してしまう。


「お、起きてるよ…!」


「…よかった。入ってもいいかな?」


「う、うん!どうぞ…!」


動揺を押し込めながらそう答えると、カチャ…、と扉が開いてミルクティー色の髪の彼がひょっこりと顔を出した。

その手には、赤い表紙の一冊の本。


「…じゃん!前に言ってた本の新刊、持ってきたよ。」


にっこりと笑う彼に、ぽっ、と心が温かくなる。

パタン、と静かに扉を閉めたランバートは、コツコツとこちらに歩み寄り、私から少し離れた椅子に腰をかけた。


「ごめんね、俺が読み終わるのを待ってもらっちゃって。これ、鞄の上に置いとくね。」


「!ありがとう…!」


私の誕生日に木の下で交わした、“本を貸す”という約束を覚えていてくれたようだ。

ランバートは、私を見つめたまま言葉を続ける。


「傷はどう?背中、痛む?」


「ううん、ルタにもらった湿布が効いたみたい。だいぶ楽になったよ。」


「…そっか。よかった…。」


ランバートは、ほっ、としたように息を吐いて続ける。


「そうだ、ノアちゃん。さっきイヴァンたちと話して、明日の朝、次の町に向けて出発することに決めたよ。ルタも一緒にね。」


「!ルタも一緒に?」


「うん。フォーゼルが言ってたでしょ?“俺たちの離島のアジトには幻夢石が山のようにある”って。だから、エーテルを再集結させて一派のアジトを攻め落とすことにしたんだ。」