また、タイムカードのところでロクと会ってしまった。
お疲れ様です、と言った。

「あのさ、待ってたんだけど、これから暇?」

2人で帰ることになった。
その時の会話は、よく覚えていないが、バイクのことばかりだったと記憶している。

「俺、NSR乗ってるんだけど、そいつが乗ってるのはモンキーっていうやつで…」

【そいつ】はロクの中学の時の友達らしい。

私たちは、ゲームセンターに着いた。
中学までは校則で禁止されていたし、高校生になってからも、特段興味があるわけではなく、近寄らなかった場所だ。

当時、格闘ゲームが流行っていた。
向かい合って対戦をする。

「また勝った!俺、強いんだ。」

どうでもいい…
帰りたい…
勉強しなくちゃ…
ゲームセンターにいるところ、誰にも見られたくない…

言いたいことが言えない私は、ロクの話にうなづくだけだった。

流れで、晩御飯に行くことになった。
そこで、【そいつ】に会うことになる。