「じゃあ、まずはこれを訂正して打ち込んで。」



禅に渡されたのは赤ペンでチェックが入った誤字を打ち直して出すものだった。



「うん。」



私は紙を受け取って、禅の仕事用のパソコンに向かう。



ちなみに家でやっている。



朝早く禅が仕事を家に持ってきてくれて、私のテストがスタートした。



何種類かやって決めるらしい。



カタカタカタ…



カタカタカタ…




「おわったよ。」




「は?」



打ち込んだものをプリントして禅に渡す。




「まだ5分だけど?」




「うん。でも終わった。」



禅は嘘だろ?と言うように見直す。




「…あってる…」




「でしょ?」




「じゃあ次はこれ。」



禅はまだ信じられないと言うように次の紙を渡してきた。





メモみたいに色々書いてあって、それをまとめるらしい。




これは、ちょっと時間かかるかな?




カタカタカタ…



パソコンにどんどん打ち込んでいく。




「おわったよ。」




今度は20分後に紙を渡す。




「は?これ、経理の人がやっても40分はかかるぞ?」



私は半分の時間でやってしまったらしい。



「…じゃあ、藍羅外国語できるか?」




「ん?何個かなら?」




「何語ならできる?」



えっと〜たしか…



「英語と中国語、フランス語、イタリア語…くらいかなぁ…」




なぜか、私は外国語とパソコンは得意だった。




「…」




禅は信じられないというような顔をして固まっている。



「じゃあ、これを訳して打ち直してくれ。」



渡されたのは英語とフランス語の報告書のようなものだった。




「分かった。」



また、パソコンにカタカタカタと打ち込む。