「お邪魔しまぁす!」

「はいどうぞ。

いつもと変わらず唯ちゃんは元

気ね。ほら、華恋も見習わないと

いけないわよ。この子、唯ちゃん

以外の子の話、全くしないのよ。

だから友達関係とかとっても心配

で・・。」


華恋のお母さんは、華恋のよう

なズバズバと先陣を切るような性

格とは全く違い、とても穏やかで

優しい仏さんのような人だ。

いつもニコニコしていて、怒っ

たことなどほとんどない。


「華恋なら大丈夫ですよ。いつ

も変な事言って周りを笑わせてま

すー!」

唯はそう言いながら、チラッと

華恋を見上げる。

「唯、変な事言わないで。あな

たの方がよっぽど変よ?

私はいたって普通よ。お母さん、

じゃあ私たち、2階に行くから。」

華恋は、ズズズと無理やり唯を

引きずって2階へと向かう。

「華恋、唯ちゃん、後でお菓子

とお茶持っていくからね。

唯ちゃん、華恋はあんなだけど、

これからも仲良くしてやってね!」

階段の方へ母が優しく言葉を投

げかける。

その声に、唯はこれまた勢い良

く、声を返した。