水花がそういうのを聞きながら、華恋

はバンッと机を叩いた。その行動に、水

はビクっと体をこわばらせる。

「何、いきなり。」

水花は苦笑いしながら華恋の目を見る。

「だ・か・ら!!!!!そういうのが

女子は面倒くさいのよねー!変に悪口

言いふらして、それに共感する人たちが

いて、そしてそんなことで無駄な団結力

を深めていくのよ!これだから、女の子

って嫌よね。」

水花は若干引き気味だ。

「みんな勘違いしすぎなのよ。女子の

大半はそんな風に思ってるのよね。そん

なはずないでしょう。

だって、いつもベタベタ一緒で何をす

るにもくっ付いてばかりじゃあまるで、

水素と酸素がいつも一緒にいないと生き

ていけない水のようじゃない!」

華恋としては真面目に憤っているのか

もしれないが、そうして口を動かす姿は、

見方を変えれば、少し滑稽だった。

「フフ、華恋ってばー。」

「な、何よ?何を笑っているのよ。」

華恋のものの例え方は面白い。いか

にも頭が良さそうな例えばかりを持ち

出す。まあ、本人にとってはそれがいた

って普通なのだろうが。

「華恋ってさ、結構不思議ちゃんだ

よね。もしかしたら、唯より不思議ちゃ

んだったりして。」

「私のどこが不思議ちゃんだって言う

の?

不思議ちゃんって、よく分からない

行動を起こしたり何を考えているのか想

像がつかないような人のことでしょう?

私はまるっきり違うと思うんだけど。」

水花はまたフフと口に手を当てて笑い

出した。

「なんていうんだろ、そういうとこ!」

「はぁ??」

華恋がより一層不快な顔をしたので、

水花はそこまでにしておいた。