約束の18時となり、私はリビングへと向かうと、先輩達と先生はもう集まっていた。


「翼ちゃ~ん。もしかしてずっと部屋にいたの?」

「そうですよ」

「えーっ。俺が行った時、返事がなかったのって無視してたの?ひっどいなぁ」

「……勉強をしていたので気づきませんでした」


なんて言うのは嘘で。

本当は先輩の言う通り、私は無視をしていた。

ドアをノックされていたのも、声を掛けられていたのも知っている。

なぜそんなことをするのかというと、理由はただ1つだ。

極力先輩には関わらないようにするため。

以前の私は甘すぎた。

受け身になって適当に流していれば先輩もその内飽きるだろうと思っていたが、そんなことは全くなく…

逆に「とーっても大切な友達以上」などというわけのわからない位置になっている。

それに先輩に影響されてか、私らしくもない感情を抱いたりしてしまうことがある。


「佐藤先生、今から何するんですか?」

「二手に分かれて準備をするわ。夜ご飯を作るチームと天体観測の準備をするチームね」

「夜ご飯って何作るの?」

「すぐ近くに売店があったでしょ?あそこで好きな物を買って好きな物を作っていいわよ。夜ご飯係の特権ね♪」


二手に分かれて…か。

夜ご飯を作るか、天体観測の準備をするか。それはどちらでもいい。

だけど…


「先生。私は先生とチームを組めればどちらでもいいです」


この3人の中から誰かとチームを組まなければならないのであれば一番良いのは先生だ。