俺の好きなものを覚えてくれていたのは嬉しいが、なぜ突然プレゼントしてくれたのか。
考えてみると1つだけ思い当たることがあった。
「もしかしてだけど、これが翼ちゃんの言ってたとーっても良いご褒美なの?」
「そうですよ」
どうやら当たっていたようだ。
確かに好きなものだし、覚えててくれて嬉しかったけど「とーっても良い」なんて言っておいてこれは少し期待外れだ。
「とーっても良い」のであればそれ相違のものをくれないと。
この棒キャンディ数本じゃもの足りない。
「翼ちゃん起こしてー」
「えぇ…?自分で起きてくださいよ」
そう言いつつも優しい翼ちゃんは俺の差し出した右手を掴んでくれる。

