「んんん?ご褒美作戦…?」
「そうですわ。やはりやる気をださせるにはご褒美で釣るのですわ!」
「りりな…意味わかる?私わからないんだけど」
「翼ちゃん安心して。りりなもわからない」
私もりりなも香澄の方を向くと、「はぁ…」と溜め息を吐かれた。
どこからか取り出した眼鏡を掛け、それを装着する。
「しょうがないですわね。私がお二人に説明してさしあげましょう。そうですわね…例えばもうすぐ体育祭がありますわよね?」
「あるね」「あるある」
そこでやる気をださせたい相手に
「勝てばとーっても良いご褒美をあげる」
という約束をする。
ただし、そのご褒美の内容は聞かれたとしても絶対に教えてはいけない、と。
「何がもらえるかわかっているご褒美」の場合と、
「何がもらえるかはわからないが、とーっても良いご褒美」の場合。
果たしてどちらの方がやる気がでるか。

