次の日。
どうすれば先輩のやる気をださせることが出来るのかをずっと考えていた。
「勝つと嬉しいですよ」なんてことを言っても興味を持ちそうにもない。
やる気をださせる方法…難しい。
「何か考え事ですの?」
「うん。人にやる気をださせる方法を考えてる」
「人にやる気をださせる方法かぁ…考えてみると思いつかないね。うーん…」
「あら。簡単なことですわよ」
香澄は鞄から一冊の本を取り出し、パラパラとページを捲る。
「異性を思い通りにする本」…なんて怪しい本を見ているんだ香澄は。
目的のページを見つけたようで、机の上にどんっと置いた。

