先輩の答えを理解出来ない私が悪い可能性もほんの少しあるかもしれない。
そんなことを考えていると、先輩は子猫を抱き上げ、此方を向いた。
「俺はねぇ、気に入ったら飽きるまで溺愛しちゃうタイプなんだ~。だからこいつに毎日餌をあげたり遊んだりしに来る」
「はぁ…?」
「つまりは俺が翼ちゃんを探して毎日会うのもそういうこと」
「なるほど………って、え?」
先輩は子猫を私の顔へと近づける。
子猫の口が私のおでこに触れると、またご機嫌そうに笑う先輩の顔が見えた。
要約すると、先輩は私のことが気に入ったから毎日会いに来ている、ということだろうか。
…なんだそれは。
気に入られるようなことをした覚えは全くない。
「今すぐ飽きてください」
「え~それは無理だなぁ」
「無理じゃないです。飽きてください」
先程までのご機嫌な笑顔は消え、子猫を下へとおろした。