それからというものの、ほぼ毎日といっていいほど気づけば先輩に会うようになった。
特に用事があるわけでもなく、ただ話をしてくるだけだ。
「それじゃ翼ちゃん、またね」
そして必ず、「またね」と言って別れる。
私はその言葉に一度も返事をしたことがない。
「ちょっとちょっと翼ちゃん!」
「一体どういうことですの?」
「何が?」
教室に戻るなり、手招きをしながらも走り寄って来た内田 りりな(ウチダ リリナ)と北里 香澄(キタザト カスミ)。
2人はこの学校に入学して出来た友人だ。
りりなは見た目は小柄で末っ子感があるが、面倒見のいい子。
香澄は落ち着いた雰囲気とは裏腹に大胆な言動をすることの多いお金持ちのお嬢様だ。
それぞれ私の手を取り、席まで引っ張って行く。

