腹黒王太子の華麗なる策略

クリスの部屋を退出して、大理石で出来た廊下を歩いていると、王女の一行に出くわした。

スッと脇に退いて深く頭を下げる。

まじまじと顔は見れなかったけど、真っ赤なドレスを身に纏い、赤毛をアップに纏めた王女様は昔読んだおとぎ話の中のお姫様のようだった。

この人がクリスのお嫁さんになるのか……。

それから夜の宴までは、飾り付けや食器、料理の運搬で大忙しであっという間に時間が過ぎた。

城中がお祝いムード。

クリスと王女が歓談しながら大広間に入ってきて、私は料理を取りに戻る振りをして自室に戻った。

チラリと見たクリスは、口元に笑みをたたえていた。

もう……あれで彼を見るのは最後。

もっとしっかり目に焼き付けておけばよかった。

でも、もう一度見たい……なんて思っちゃいけない。

決心が鈍る。

ベッドの下に置いて置いた袋の中を確認する。