腹黒王太子の華麗なる策略

「職務怠慢だな」

楽しそうに私をからかうクリスの声が近くでしたと思ったら、何か柔らかいものがフワッと私の唇に触れた。

え?

不思議に思って目を開ければ、目と鼻の先にクリスの顔があって、いつもの穏やかな顔でじっと私を見つめている。

嘘……!クリスにキスされた?

「……キ、キ……キ……ス!」

激しく動揺していて上手く言葉が出てこない。

「失語症?そんなに驚かなくても小さい頃はよくしたよね」

目を細め屈託のない顔で微笑むクリス。

「ちょっと、ク、ク、クリス?な、な、何でキスなんか?」

心臓がバクバクしてきた。

「職務怠慢の罰だよ。それに、昔はアン、よく僕のベッドに潜り込んで来て、朝起きるといつもこうやってキスしたじゃないか。懐かしくって」

クリスは、楽しげに微笑む。