腹黒王太子の華麗なる策略

どこか遠くへ行かなきゃダメだ。

クリスに会いたくなっても会えない程遠くへ……。

でも……ずっと城で育った私が……他の場所で暮らしていけるだろうか?

働き口だって探さなきゃいけない。

城しか知らない私がどうやって働き口を見つけよう?

異国に知り合いなどいない。

考えてみたら、私はこの城で食べるものにも、寝る場所にも困らず暮らしてきた。

周りにいる人たちもみんな優しい人ばかりで……。

私って……城のみんなやクリスに守られていたんだな。

この城を離れるのは悲しい。

でも、ここに居続ければ、きっと私は気がおかしくなってしまう。

そんな自分をクリスに見せたくない。

「おい、それ以上歩くと、柱にぶつかるぞ!」

突然背後からディオンの声がしたかと思ったら、首がギュっと締まり、私は苦しくて思わず立ち止まった。