腹黒王太子の華麗なる策略

どうして?とか、いろいろ理由を聞かれたら泣き出してしまいそうだったから……。

きっとコレットは私の気持ちを察していて聞かないでくれているのだ。

私がクリスのことを好きなのを彼女は知っている。

「わかった。ありがとう、コレット」

コレットにお礼を言い、浴場を出る。

これでしばらくクリスと顔を合わせずに済む。

でも……一時しのぎでしかないし、問題の解決になっていない。

身分が違う人を好きになった私が馬鹿だったんだ。

近くにいるから、自分の想いが相手に通じるって勘違いしちゃうんだよね。

持っちゃいけない希望を抱いてしまうんだ。

そう、近くにいるから……。

「……城を出ようかな」

赤ん坊の時からクリスとは一緒にいる。

それだけに私の彼への想いは強い。

城を離れないと、この想いを断ち切れない気がする。