腹黒王太子の華麗なる策略

モコはもう一度ニャーと鳴くと、私の頰をペロッと舐めた。

「……慰めてくれるんだね。ありがとう、モコ」

ギュッとモコを抱き締めると、コレットが私の服を持って戻ってきた。

「ほら、風邪引くからこれに着替えて」

「うん」

濡れた服を脱ぐのは大変で、コレットに手伝ってもらいながら着替える。

「王太子殿下のお世話は私がやっておくわよ。アンは部屋に戻って、今夜はぐっすり寝なさい。ひどい顔してる」

「うん。ありがと。あの……コレット、しばらくクリスに付いてもらってもいい?私がディオンに付くから」

躊躇いながらそうお願いすると、コレットは考え込むようにしばらくじっと私を見て返事をする。

「いいわ。でも、陛下のお世話はしなくていいわよ。いろいろ薬の調合とか大変だから」

普段通りのコレットの受け答えが、今の私には有り難かった。