腹黒王太子の華麗なる策略

「王太子殿下はまだ湯浴み中?……って、何であんたそんな濡れねずみなの?」

服までずぶ濡れの私の姿を見て、コレットは驚きの声を上げる。

「……うっかり岩風呂に落ちちゃって」

疲れた顔でそう答えれば、コレットは顎に手を当てまじまじと私を見た。

「うっかり……ねえ。着替えを取ってきてあげるから、待ってなさい」

コレットは踵を返して浴場を後にする。

これからどうすればいい?

クリスと顔を合わせるのがつらい。

彼がエッジウェアの王女さまと仲睦まじく過ごす姿なんて近くで見れないよ。

見て正気でいれる自信なんてない。

「……神様は残酷だよね」

ギュッと下唇を噛み締めると、モコがやってきてニャーと鳴きながら私の足元に擦り寄った。

「モコ……私どうすればいい?」

屈んでモコを抱き上げ、モコと目を合わせる。