腹黒王太子の華麗なる策略

自分が自分でいられるのは……アンがいるからだ。

彼女こそが俺の生きる望み。

ふと、腕の中にいるアンに目を向ければ、まだ眠っている。

昨日は式や初夜のことでこちらが見ていて笑ってしまうくらい緊張でガチガチになっていた彼女。

やたらと俺のことを意識していたし、周りの者も変に張り切りすぎたから、城から連れ出した。

そして、初めてアンを抱いて……。

これ以上ないくらい彼女を愛していたつもりだったが、肌を重ねて初めてそれは俺のおごりだったと気づいた。

あまりに愛おしくて触れずにはいられない。

言葉以外でも、肌の感触や体温で伝える愛もあるんだと初めて知った。

愛おしげに彼女を見つめ、その赤く色づいた唇にそっとキスを落とす。

すると、アンはうっすらと目を開けた。

「おはよう」

アンの目を見て甘く微笑めば、彼女はハッと飛び起きて「朝の支度しなくちゃ!」と慌てだす。