腹黒王太子の華麗なる策略

「いてっ!」

ディオンは頭を押さえて呻く。

「あんた最低ね。少しはラルフ宰相を見習いなさいよ」

コレットはディオンを叱りつける。

「俺の柄じゃねえって。それにしても、兄上がアンに勉強やダンスを教えたのって、全部この日のためのような気がしてきた。いや……実際そうなんだろうな。最初から自分の妃にするつもりで」

ディオンの言葉に唖然としてしまう。

だって、私はたまたま一緒にいたから付き合わされただけだ。

「まさか……」

私が否定すると、横からラルフ宰相がディオンに呆れた口調で言った。

「今頃わかったんですか?ディオン様は鈍いですね」

「鈍くて悪かったな。やっぱり計画的だったのかよ」

「何事も無計画なディオン様とは違うんですよ。クリス様は常に先を見据えておられます。クリス様が国王になられてインヴァネスは安泰ですが、これで近いうちにクリス様とアン様のお子が生まれれば、ますます我が国は繁栄するでしょうねえ」