腹黒王太子の華麗なる策略

コレットは背後からギュッと私に抱きつく。

「あ、あの……コレット、申し訳ないけど私にはそっちの趣味は……」

カチンと身体を硬直させて言えば、コレットはクスクス笑った。

「冗談よ。それくらい今日のあなたは素敵だってこと。そのドレスであの陰険王太子を悩殺しちゃいなさい!」

「……悩殺って、あのクリス相手に無理だよ」

ハハッと私は乾いた笑いを浮かべた。

コンコンとノックの音がしてコレットが返事をすれば、ラルフ宰相とディオンが入ってきた。

私がふたりを出迎えると、ラルフ宰相は私の姿を見て頰を緩める。

「よくお似合いですね。クリス様がデレデレになるのが目に見えるようですよ」

「う〜ん、馬子にも……衣装」

ディオンがまじまじと私を見てそんな批評をすれば、すかさずコレットが彼の頭をペシッと叩いた。