腹黒王太子の華麗なる策略

その温かな手を私の頰に添え、クリスは私に口づける。

またキスで誤魔化そうとして……。

そう文句を言いたいのに、彼に翻弄されてしまう私。

結局そのままクリスのベッドまで連れていかれ、彼と一線は越えることなくその夜は眠りについた。





「アンには私のような 赤よりもバイオフルールの花と同じ薄紫色が合うわね」

鏡の前で、コレットが私の爪を染料で染めながら微笑む。

「すごく綺麗」

薄紫に染まった爪を私は嬉しそうに眺めた。

今日はクリスと私の結婚式。

オリン山での死闘の翌日、クリスは国王が亡くなったことをインヴァネスの民に知らせ、彼が国王に即位した。