腹黒王太子の華麗なる策略

こんなの見せたくない。

見せられない〜!

「あ〜、どうしよう!」

ひとりであたふたしていると、クリスが肩を震わせて笑った。

「俺に抱かれたい気持ちはよーくわかるが、今日はさすがに身体が疲れてる」

「え?」

間抜けな声を出す私。

クリスの言葉になんだか拍子抜けしてしまった。

私だけこんなに焦って、ドキドキして馬鹿みたい。

あっ、ひょっとしてクリスはまた私を……。

「からかったでしょう?」

恨みがましい視線をクリスに向ける。

「言っただろ?お前に泣かれると弱いんだ。だから、手っ取り早く涙を止めた」

クリスは悪びれた様子は見せず、悪戯っぽく目を光らせる。

「だったら、もっと違う方法があるでしょう!」

悔しくてトンとクリスの胸を叩いた。

「俺の婚約者殿は我儘だな。ならば、これなら異存はないだろう?」