腹黒王太子の華麗なる策略

感極まって声を詰まらせながら返事をする私を見て、クリスは少し困ったように笑い、私の手に指輪をはめると、優しく抱き寄せた。

嬉しくて涙が頰をつたる。

「涙腺が緩いのも困りものだな」

「だって……嬉しくて仕方がないんだもん」

「そんなに俺に抱かれるのが嬉しいんだな」

私の唇を指でゆっくりとなぞり、クリスは妖艶に微笑む。

その男の色香漂う顔を見て、急に涙が引っ込んだ。

そう言えば、クリスは悪魔を倒したら、思う存分私を抱くとか言ってなかったっけ?

悪魔はもう倒した。

彼にはもう障害はない。

今……私……ついにクリスに抱かれちゃう⁉︎

「ど、ど、どうしよう〜!」

ドッ、ドッ、ドッと自分の心臓の音が聞こえてきて、頭は大混乱。

全然心の準備も出来てないし、肌だってずっと外で戦っていて荒れてるし、ところどころあざだってある。