「クリス?嘘でしょう!」

クリスがその身を聖剣で貫き、私の腕に倒れ込むのを見て私は泣き叫んだ。

そのまま倒れそうになる私をコレットが「アン!危ない!」と叫んで支え、クリスの身体をラルフが抱き抱える。

クリスの胸には聖剣が刺さったまま。

それを見て、ゾクゾクと寒気がして目の前が真っ暗になった。

私のクリスが……クリスが死んだ。

「う……そ」

目からポタポタと涙が溢れ落ちる。

お願い!

目を開けて!

そして、いつものように『アン』って呼んでよ!

彼がいなくては生きていけない。

赤ちゃんの時からずっとクリスと一緒にいたのだ。

彼は私の半身同然。

絶望が私を襲う。

すると、ディオンが私を叱咤した。

「しっかりしろ、アン。兄上は気を失ってるだけだ。死んではいない」

その言葉が、スーッと私の心に光を差し込む。