腹黒王太子の華麗なる策略

息も絶え絶えに呟く。

頑張って歩いているけど、全然前に進めていない気がする。

ここに眠っているのが本当にご先祖様なら、この雪をなくしてくれないだろうか?

いや……逆に自分の血を引くなら簡単に来れると思ってしまうかも。

クリスは私には癒しの力があるかもって言ってたけど、この寒さを乗り切る力さえも私にはない。

……無力さを感じずにはいられない。

考えが甘かった。

でも……ここまで来て諦めるのは嫌だ。

頑張れ、アン!

「クリスのため……クリスのため……」

何かの呪文のように唱えながらモコと前に進む。

寒さで足の感覚がなくなってきたが、気力だけで足を動かした。

突然、モコが立ち止まり、ウウーッと険しい顔で唸り出す。

「モコ……どうしたの?」