腹黒王太子の華麗なる策略

寒いを通り越して、身体が凍りそう。

てっきり山の頂上で降ろされると思っていた私は、呆気に取られた。

「え?頂上から行くんじゃないの?」

私の問いにモコはブンブンと首を横に振る。

それを見て目眩がした。

ここから入山するの?

……思わず踵を返して城に戻りたくなった。

でも……聖剣はここにあるのだ。

クリスを救う聖剣が……。

彼のためなら命を捨てたっていい。

この寒さがなんだ!

例えこの身が凍っても、クリスに聖剣を届ける。

覚悟を決めてモコと一緒に雪山に入る。

初めて体験する雪は、私にとって悪魔同然だった。

顔にぶつかる雪は冷たくて痛いし、雪が靴の中に入って歩きにくくなって、着ている服は雪まみれ。

「日が暮れるまでに……雪だるまに……なりそう」