腹黒王太子の華麗なる策略

「あのう……いつも通り『アン』と呼んでください。急に様をつけられると、かなり違和感があって……。それに部屋も、今いる部屋で十分ですよ」

私の言葉にラルフ宰相は横に首を振る。

「そういうわけにはまいりません。あなたは、古の王の血を引かれているのですよ。大丈夫です。そのうち環境の変化にも慣れますよ」

……柔和な感じだけど、結構ラルフ宰相って頑固なんだよね。

でも、こんな扱い慣れないよ。

ハーッと溜め息をついていたら、そこにディオンが現れた。

「ラルフ宰相、先日の戦いで負傷した騎士達に何かお見舞いをしたいんだが……」

ラルフ宰相を見つけてディオンは話し込む。

負傷した騎士と聞いてラルフ宰相もディオンの話に熱心に耳を傾けた。

これはチャンス!

オリン山に行くには今しかない。