腹黒王太子の華麗なる策略

もう一度コレットに手を合わせて礼を言い、その場を去ろうとしたら、彼女に呼び止められた。

「アン、ちょっと待って」

「え?何?」

コレットを振り返ると、彼女は私に近づき肩に触れた。

「肩に変なホコリがついてたわ」

コレットは、ニコッと笑ってササッと私の肩のホコリを払う。

その時、彼女の真っ赤な爪が目に映って、ふと気になった。

クリスは悪魔と契約して爪が黒くなった。

じゃあ、コレットは?

「コレットの手の爪っていつも赤いよね。どうして?」

「ああ、これはお洒落でやってるのよ。私が昔いた国で流行っていたの。特別な染料で染めているんだけど綺麗でしょう?いい男を捕まえるには、自分も磨かなくちゃねえ」

赤い爪を私に見せびらかすように、コレットは手をヒラヒラとさせる。

確かに綺麗だ。