逆に、リュージくんは嬉しそうに肯定するんだけどなぁ……。

まぁ結局のところ、二人が仲が良いことだけは確かだと思う。


「うん?」


私の視線に気が付いたのか、リュージくんはニカッと太陽みたいな笑顔を浮かべて、私の頭に手を置いた。

大きな手。繊細で骨ばった朝陽の手とはまた違った、男の子の手だ。


「なのちゃん、商業科の授業は楽しい?」


私たちが乗る電車とは反対の電車がホームに滑り込んできて、気がついた時には先ほど何かを囁いていた子たちの姿は消えていた。

私はリュージくんの質問に精一杯の笑顔を見せると、一度だけ大きく頷いてみせる。