「まー、可愛いお嬢ちゃんだこと。まだ擦れてないわね!良いわぁ。」


近づいてきたオネェさんはサッと伸ばしてきた手で私の両頬に手を添えて、目線を合わせてきた。
私はカッチーンと音でも出しそうな勢いで、固まった。


「うん、すっごい警戒心でビクビクしてる。これ、野良の子猫ちゃんみたい。かっわいい!!」


ぎゅーっとされるとそのお胸は予想外に柔らかい。
オネェさま、ボンキュッボンです!
羨ましいな…。


「オネェさんは?」


「あたし?あたしはサチコよ!アカリのお仲間でアカリより先輩よ!よろしくね、子猫ちゃん!」

ウィンク付きで自己紹介してくれたサチコさんは、やはり大柄であるが美人さん。

美魔女オネェパート2に早くも出逢いました。


「えっと、三郷夏美です。仕事と住む所が無くなってたところを、アカリさんに出会って拾われました。」


そう言うとサチコさんはちょっぴり目を丸くして、


「やだ、アカリ!ホントに拾っちゃったのね!」

そう言うとバシバシとアカリさんを叩くサチコさん。


「ちょっとサチ、あんた力は男なんだから少し考え・・・」

「天誅!!!」


サチコさんの華麗なる早さで繰り出された手刀がバッチリ決まった。


「いったーーー!」

あ、叫びが男に戻ってるよ。


アカリさん、痛いだろうな。


「サチ、いい加減になさいよね!!!ご飯食べさせないわよ!!!」



「イヤーーー!アカリそれだけは!それだけは!」



何、この騒がしいオネェの二人組は。
目の前でオネェ二人がコントみたいなやり取りをしている。


しかも食事においてはアカリさんの手腕に掛かってるとか。


「クスクス。ちょ、お腹痛い…。くふふ…」

笑い始めたら止まらなくてそんなふうに呟けば



「「あら、やっと笑ったわね。やっぱり女の子は笑ってる方が可愛いわよねー!」」


オネェのダブルサウンドに私はまた、ひとしきり笑ったのだった。