「日下さんやあっちゃんとさっちゃんは大学が一緒だったの?」

そう聞くと

「えぇ、学部こそ違えどキャンパスは一緒だったの」

なんとも嫌そうなさっちゃん。


「そんでサークルが一緒でな。倉持が俺らの二つ下でアカリが三つ下だったんだよ。だからアカリは倉持とのが仲良いな。俺とサチとさっき出たエドが同じ歳なんだよ。エドは留学生だった」


そう話してくれた日下さんに


「倉持さんもエドさんと仲良かったですか?」


この間の倉持さんとの話を思い出し聞くと、


「あぁ!そうだ。エドと倉持は学部が同じ法学部だったからな。仲がいいぞ」


そう、だからこの間倉持さんも知り合いに同じ瞳の色の人が居るなんて言ってたんだな。

世間って狭いなぁとつくづく感じるものの、どうしたものか。

気分的には良くも悪くもないが、この年齢である。
父親と言われても今更と言った感じだ。


「そうですねぇ、個人的には今更って感じでしょうか?もっと小さな頃なら喜んだり会いたがったりしたかも知れませんが…」

そう言葉を濁して笑うと


「そう、なるよなぁ。夏美ちゃんはもう大人だもんな。うん、分かった。夏美ちゃんの事は黙っておくし、倉持にもそうするよう言っておくな」

その話はそれで終わった。
その日下さんが、帰ったあと。


「あっちゃん、これで良かったかな?いいとは思うんだけど何か、嫌な予感がするんだ…」


私がそう言うと、


「大丈夫よ、夏美。何があっても私はそばに居るし、サチも居るわ。夏美はもう一人じゃないから大丈夫よ!」


不安を口に出せるようになったのも、この間の女子会のおかげ。

安心して大丈夫だと思えるようになってから随分甘えるようになったけど…。

二人ともドーンと受け止めてくれちゃうから、甘えすぎないようにしなきゃって、すると二人はその遠慮にすらすぐ気付くんだ。

それに気づいてからは遠慮しなくなって、私たちは益々仲良くなっていた。


しかし、騒動というのは予期せぬ方向から降ってくるものである。

私の悪い予感は、嫌な形で的中した。