「はぁ?こんな小さなオフィスに何が出来るっていうの?私の所は大手だし!私はモデル部門の稼ぎ頭なのよ!大抵の事は私が言えば通るのよ!」


なんて言うか小さい子がそのまま大きくなってて、中身は成長してない感じを受けた。
甘やかされてきたんだろうな。


昔は甘えられる人がいることが羨ましかったけれど、こんな人を見ると甘やかされ続けるのはどうなのかと疑問に思う。


厳しくも優しい園長先生やその他の先生達を思い、つくづくしっかり育ててもらって良かったと思う。


「あら、あなた最近ページ数減ったでしょ?モデルさんなんて次々新しい子が入ってくるものよ?気持ちよく仕事できない子なんて干されてくだけよ?そんなことも分からないお子ちゃまだから、よそ様の会社に突撃出来るってものよね?全く…。良いのよ我社は、我々のやり用や仕事ぶりや人柄を気に入って贔屓にしてくれてるところが沢山あるから。あなた一人切った所で痛くも痒くもないわ」


そう冷たく言い放った。


葵さんと言うらしい彼女は、どうやら業界に長く居るはずなのにウチがどういう所かは分かっていないらしい。


「ま、あとは自分の所属アーティストすら教育できない事務所も問題ね。まして手をつけてつけあがらせるなんてねぇ…、社長さん?もううちはそちらとは仕事はしないわ。あとは好きになさって。その子はさっさと回収して帰ってちょうだいね」


いつの間にかモデル事務所の社長が来ていたみたい。

何となく理解出来た内容に、そこに居る二人に更に嫌な感情が湧いてくる。
でもあっちゃんが話をつけている。
私には出る幕はないので、これが落ち着くのを見守ることにした。
嫌悪感は隠せなかったけれど…