美味しい親子丼をあっちゃんと二人で食べてるところにあっちゃんのスマホが鳴った。


「あら、サチだわ。何かあったのかしら？ごめんね、夏美は食べてて」


そう言ってお部屋に行ったあっちゃん。


そんなに時間も掛からず戻ってきたあっちゃんは

「サチも戻ってからご飯食べるから作っといてってお願いされたわ。いつもはメールなのに珍しいわよね？」


クスッと笑いながらあっちゃんも続きを食べはじめた。

ん？と思いながらも休憩時間は決まっているし早く食べて片付けなくてはいけないので急いで食べる。


ここ数回であっちゃんは私の食べる量をバッチリ把握してくれたのか私の適量が、盛られた親子丼はとても美味しく食べられた。

「ごちそうさまでした」


そう手を合わせてお皿をシンクに持っていく。

軽く流してスポンジを泡立てたところであっちゃんもお皿を持ってきた。

「私、先に仕事に戻るからお願いして大丈夫かしら？」

「もちろん、大丈夫だよ！あ、でもおうちの鍵」

「ここ勝手に閉まるタイプだから出るだけなら大丈夫なのよ。忘れ物しないようにね！」

そうウィンクして先に行ったあっちゃん。

私は急いでお皿を洗って水切りかごに置き手を洗って拭いてから荷物の確認をして家を出た。

エレベーターで再び二つ下に降りる。


事務所に入る前に声がした


「社長！聞いてないわよ！事務員に新人の女の子雇ったなんて！」

「こんな濃ゆいところでやってける子なの？！」


というあっちゃんやさっちゃんより低い男の人の声で女性的な話し方をする声が聞こえた。


入って大丈夫かな？
でも、もう休憩も終わるもんね。


そう思って、頑張ってドアを開ける為に手を伸ばすと