なんだかとても幸せな気持ち。
「かちょ、孝太郎さん、好きです」
慣れなくて、つい課長と言ってしまいそうになる。
こういう時、なにを言ったらいいのかわからないけど、素直に課長に伝えたくなった。
そう、私は孝太郎さんが好き。
鬼課長で、甘くて、優しい、この人のことが好き。
言葉に出して言うと、なんだかスッキリした気分になった。
「お前なぁ、この状況でそういうこと言うな」
「えっ」
好きって言ったらダメだったの?
途端に不安になる。
「俺は今、必死に理性をかき集めてるんだよ。抑えがきかなくなるだろうが」
理性をかき集めてる?
抑えがきかなくなる?
なんのことか、さっぱりわからなくて、キョトンとしてしまった。
「好きな女が目の前にいる。抱きたいと思う。それが俺の本音だ。だが、お前は初めてだから傷つけたくない。大事にしたい。わかるか?」
「あの、えっと…」

