今度は3人でやいのやいのと言い合っている。
私はひとり蚊帳の外。
全くもって私が狙われる意味がわからない。
冴木主任の言う、お嫁さんにしたいナンバーワンってことにも違和感を感じて、思わず眉間にシワが寄る。
「広報部のヤツは加治田に任せる。総務部は俺がなんとかする」
課長の一言で言い合いは終わったらしい。
来週から加治田くんが広報部から営業1課に異動になる。
指導係は冴木主任。
私は大丈夫。
課長が隣にいると、不思議と不安な気持ちが薄れていく。
男の人は苦手だけど、課長に触れられるのは怖くない。
さてと、仕事に戻ろう。
冴木主任と加治田くんの後ろについて、会議室を出ようとしたところで、腕を引っ張られた。
「な、なにす…んんっ」
強引に腕を引っ張ったくせに、課長は優しく私の唇を塞いだ。
会議室のドアは閉まっている。
防音対策バッチリの会議室の音声は決して外に漏れない。
「か、かちょ…」
「悪い。我慢出来ない」
甘くて蕩けそうなキスを何度もされていると、力が抜けて立っていられなくなる。
課長は私の腰をギュッと強く掴んで支えてくれている。
止まらない。
止められない。
でも、今は仕事中…。
消え去りそうな意識をなんとか呼び戻した。

