「指導係は冴木に頼む」
「了解でーす。冴木です。加治田くん、よろしく」
「よろしくお願いします」
3人のやり取りに益々頭が働かない。
受け入れられない。
心と身体が全力で拒否している。
そんな私を包み込むように、課長は私の肩を優しく掴んだ。
なにも知らない人が見たら、セクハラ行為だと思ってしまうかもしれない。
案の定、加治田くんは目を見開いている。
冴木主任はなぜかニヤリと笑っている。
課長に抗議の目を向けると、課長は真剣な表情のまま。
「彼女は営業事務の真宮。俺の大事な人だから手を出すなよ」
「か、課長!」
間違いなく、私の顔は真っ赤に染まってるはず。
気休めとわかっていながらも、手で頬を扇がずにはいられなかった。
冴木主任はお腹を抱えて笑っている。
「真宮さんは同期で。いや、あの、尊敬する堂林課長の彼女が真宮さんで驚いてるっていうか」
あまりに恥ずかしくて、私は俯いた。
驚くよね。
私だって、こんな紹介されてどうしていいかわからないし。
「あの、真宮さん。ずっと真宮さんに謝らなきゃって思っていたんだ。同期会でのこと、後から聞いて、本当に申し訳なかった」
加治田くんを見ると、頭を下げている。

