鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)



「そんな俺は菜緒が傍にいると心穏やかでいられる。鈍感で無自覚な菜緒が心配で堪らないが、俺は菜緒のことを一生愛し続ける。菜緒と一緒にいられて、心の底から幸せだと思う。これからふたりでたくさん幸せを築いていこう」

そう言うと、いつの間に用意していたのか、大きなバラの花束を手渡してくれた。

私の視界は涙のせいで、はっきりしない。

孝太郎さんはどれだけ私を翻弄したら気が済むのだろうか。

最後の最後にこんなサプライズを用意してくれていたなんて。

きっと仕事で忙しい中、私に内緒で打ち合わせしてきたに違いない。

「孝太郎さん、ありがとうございます」

止めどなく流れる涙をハンカチで拭いながら、なんとか笑って答えた。

「今日からよろしく。奥さん。今夜は覚悟しとけ」

そう耳元で囁かれて、私の頬はますます赤くなった。

「全く、お前は。可愛い顔しやがって」

なぜか孝太郎さんは私の頬をプニッと摘まんだ。

「孝太郎さん、痛い…」

「このバラ、風呂に浮かべて一緒に入るぞ」

「な、な、なに言って…!?」

慌てている私を楽しそうに眺めている孝太郎さん。

そんな私たちに会場中からたくさんのお祝いの言葉と拍手がもたらされた。

きっと明日も明後日も、私たちの攻防戦は続いていく…。



【番外編(結婚式)終】