「連絡してこいよ。そんな変な噂、直ぐに否定してやるのに」
「は、はぁ」
私の口からは間抜けな声しか出てこない。
「なんだよ。他人事みたいだな」
課長はようやく私の手を離した。
ホッとしたのも束の間、今度は私の頭を撫でた。
「か、か、課長…。ここ、社内、です…」
もしかして社内ってこと、忘れてるんだろうか?
それとも、わざと?
まさか、ね?
課長を見上げると、ニヤリと笑っている。
なんか、黒いオーラが出てるような…。
気のせい、かな?
「どうせ、年明けにはバレる。今バレても同じだ」
「へっ!?」
バレる!?
バレるって、一緒に住むこと?
今バレても同じって、それって…。
「こんな所で言うのもどうかと思ったが、またこんなことがあっても困るしな」
「な、なんの話…」
「菜緒」
「はい…、って、えっ!?な、名前!?」
条件反射でつい返事をしてしまった。

