ようやく電話を切って隣を見れば、課長と冴木主任はまだ対峙している。
「課長、戻ってくるの早かったですね」
てっきり冴木主任は怒られているのかと思いきや、なぜかニヤニヤ笑っている。
「お前があんな電話寄越すからだろ!」
課長はやっぱり怒っている。
なんだか長引きそう。
気分転換にコーヒーでも淹れてこようと立ち上がった。
「コーヒー淹れてきます」
「真宮はここにいろ」
立ち上がった私の手を掴んで離さない。
課長と掴まれた手を交互に見て慌てた。
ここは社内。
しかもみんなの視線が集まっている。
なんで手を掴まれてるの!?
これはマズイでしょう!!
「か、課長!」
声をかけても課長は我関せず状態。
手を引っ張ってもびくともしない。
助けを求めるように佐野さんを見ると、頬杖をついてニヤリと笑っている。
これは助けてくれそうにないね…。
とりあえず目立たないように立ったまま、課長と冴木主任のやり取りを見守ることにした。

