「真宮さん、課長から電話だよ」
冴木主任にスマホを渡されて画面を覗くと、堂林課長の名前と通話中のマークが表示されている。
冴木主任は電話に出るようにと、ジェスチャーしている。
「真宮です」
『菜緒か!?大丈夫か!?』
なぜだか、課長がものすごく慌てている。
「大丈夫ですけど、なにかありました?」
『すぐ帰る!』
そう言って切れてしまった。
「冴木主任、切れちゃいました」
スマホを渡すと、冴木主任は大爆笑している。
「俺、怒られるかも!」
怒られるかもしれないのに、なぜか大爆笑の冴木主任。
それにしても、課長、すぐ帰るって挨拶回りはどうしたんだろう?
時計を見れば、まだ午後2時。
確か夕方に戻るはずだったんじゃ…。
「菜緒ちゃん、T社から電話だよ~」
「はい!」
とりあえず仕事しなくちゃ。
ファイリングもまだ終わってないし。
電話応対とファイリング作業に集中していたら、あっという間に1時間が経っていた。

