「真宮さん!休憩中にごめん!A社の納期でトラブってて!佐野さんは午後休でいなくて!すぐ戻ってもらえる!?」
加治田くんの勢いに一瞬呆気にとられて返事が遅れた。
「本当にごめん!」
そんなに謝らなくてもいいのに。
「あ、いえいえ。大丈夫。すぐ戻るよ」
A社の納期トラブルはたまにあることで、何度も対処してきたので、対応の仕方は心得ている。
それより、加治田くんとの距離が近いことのほうに焦ってしまう。
これ以上近寄られると恐怖を感じてしまう。
察しのいい園子はすかさず私と加治田くんの間に入った。
「加治田くん、近いよ?」
園子が冷たく言い放つ。
「ごめん!課長にも怒られそうだ!」
加治田くんは青ざめている。
課長が怒るかどうかはわからないけど、とりあえず仕事最優先だ。
まだ食べている園子とは社員食堂で別れて、急いで営業部のフロアに向かった。
エレベーターを降りたところで、思わず笑ってしまった。

