「どうしよう…」
片手で首を押さえながら仕事なんて出来ない。
日常生活にも支障をきたす。
「大丈夫。髪の毛で見えないし」
「でも…」
「どうしても気になるなら絆創膏貼る?でも、そんなことしたら余計に目立つと思うけどね。キスマーク隠してますって言ってるようなものだよ」
そうなの!?
そういうもの!?
絆創膏ってナイスアイデアって思ったのに、ダメじゃん!
課長、一体どうしてくれるんですか!?
「困ったなぁ」
項垂れる私とは正反対に、園子はケラケラ笑って楽しそうにしている。
「堂々としてたらいいんだよ。そのほうが変な虫が寄ってこなくていいじゃない?堂林課長もきっとそれを心配してわざとつけたんじゃない?」
キスマークをつけて堂々としてるなんて、恋愛初心者の私にとってはかなりレベルの高い話だ。
それより、変な虫ってなんだろう?
園子に訊こうと口を開きかけたところで、加治田くんがこちらに向かって走ってくるのが視界に入った。

