「 先生 」


いつしかこんな言葉が口癖になっていた。



___ガタンゴトン

4月8日。天気は晴れ。特に何の変哲もない満員の座席と
それに座れなかった人が数人立っている電車の中2人の
女子生徒が心を踊らさせていた。


「 あー、もー気になる〜!!! 」

「 それな?もう春休み中に郵便でクラス発表してほしかったわ〜3年のクラスとか大事やで? 」

「 まあ、愛奈はそれだけとちゃうやろ? 」

そうニヤニヤと横目で見られて「 もお 」っと頬を膨らましたのはこのお話の主人公 久志本愛奈(クシモトアイナ)。
真っ黒なミディアムボブの髪に奥二重の目、中学の頃部活でテニスをしていたためか紫外線の吸収が良いためかほかの子よりかは健康的な肌色の彼女はごく普通の見た目と言っても過言ではないだろう。

「 そういう、萌衣奈もうちと一緒の心境なんちゃうん? 」

鈴木萌衣奈(スズキメイナ)。
地毛の茶髪を軽く巻き、ぱっちり二重には微かにアイラインと目尻にマットな締めシャドウ、眉毛はがっちり書いちゃって学年では派手めな存在。
そんな彼女は図星か頬を赤らめ、口をとんがらせている。

「 …、ま、まあな?だってあいつと同じクラスなりたいやん?」

開き直った口調だが声を上ずらせていた芽衣奈が可愛く感じ、ふと笑を零した愛奈ももちろん同じ意見。