期末考査開始までまだ2週間もあるのに、先生たちも生徒たちもいつもより授業に励んでいた。


「はい、ここ期末考査に出るから。次は〜………」


相変わらずいつもの席で授業を眺める。

最近変わったことと言えば、颯真が後ろの席に移動してきたことと、神無月さんが留学のため1ヶ月休学していることぐらい。

まぁ1番の変化はやっぱり颯真の周りに女子が集らなくなったことかな?

その代わり遠目で見守ることにしたらしい。親衛隊として。

あ、付き合ってることはもちろん内緒…………。

敵に回したくないしね……………。


「期末考査前ってみんな必死だよな」

「そりゃあ、悪い点取りたくないしね」


でも、2人のときは話すよ。

颯真が何もない放課後とか、教室に残ってね。

「アンタは大丈夫なの?」

「俺は余裕だし。いつもトップだ」

マジで?

そういえば、颯真頭よかったなぁ………。

それに隠れて必死に努力とかする派だったからね………。


「そう言うお前は大丈夫なのか?」

「んー…………たぶん」

「たぶんってなんだよ」

「帰って自習とかしてるし、高1の範囲ならあらかた理解してる」

まぁ、実家にいたときに軽くやった程度だけど、自習とかしてたから身についてるとは思う。

でも、不安だから勉強しないとなぁ……………。


「はぁ………」

「幸せが逃げるぞ」

「残念。私のため息は幸せなんて逃げませーん」

外部生は常に点数が良くないといけない。1年間で成績の悪かった外部生は即退学。

外部生じゃなくても、1年間で成績の悪い者は下のクラスへ降格させられる。

全く厳しい学園だよ………………。

「まぁ、これが終われば後は夏休みだしいっか…………」

「呑気だなぁ、お前は」