あ、でも少しは大丈夫かも…………。
このまま折り返し地点まで掴んでおこう。
「星きれーだな」
「え?あ、ほんとだ」
空に広がる綺麗な星空。
そういえばこの学園に来てから、夜空を見ることがあまりなかったなぁ。
昔はよく、ベランダに出て夜空を見たものよね…………。
「四ノ宮」
「ん?」
「そう言えばさ、最初大切な人がどうのこうのって言ってたじゃん」
「あー、アレね」
「そいつって、1年?」
颯真の前でこの話かぁ……………。
気づかないから逆にスゴいんだよな。
「うん。そうだよ」
「何組?A組のやつ?」
「それ言ったらバレちゃうじゃん。秘密」
A組って言ったら、誰!?って言われるに決まってるし。
秘密が1番よね〜。
「………………千葉成海?」
…………………なぜ、ここで成海くんが出るのよ。
「アイツと仲いいじゃん。楽しそうだし〜」
「ただの男友だちよ。班が一緒だから仲良くなったの」
「じゃあ、他のやつってことか?」
「まぁね」
この場でこんな話しになるとは思わなかった。
「そいつには会えたのか?」
「会えたよ」
「元気そうだったわけ?音信不通さんは」
「…………………元気そうだったよ。音信不通には理由があったの」
記憶喪失っていうね………。
「ふーん…………。そいつとはどうゆう関係なんだ?」
「そうねぇ…………。幼なじみ、かな?小さい頃から一緒でね、何でも言い合える仲だった。毎日が楽しかったなぁ」
今ここで思い出しても悲しいだけなんだけど。
「じゃあ、付き合ってないんだ?」
「あ、付き合ってたよ?いや……………付き合ってたのかなぁ。自然消滅かも」
結局、関係は白紙に戻ってるし、向こうには記憶にない訳だし。



