「失礼致しました。21時から肝試し大会があるらしいです。それまでには、ホテルの入口に集合をお願いします」

肝試し大会!!??


そんなのあるの!?

コワーイ!!!!……………なんて、言えない自分が辛い(笑)

残念ながら暗いとこ大丈夫だし、幽霊が怖いとかでもない。

まぁ、唯一自分が無理なのは………………アレなんだけどね。

少しの間ならたぶん大丈夫。

あ、でもライトに集まってきたりしたら最悪だなぁ。


はぁ………………そこだけが憂鬱。


「連絡したりするときに必要なので、今から4人1組の班を作ってください10分時間を取ります」

え!!今から!!??

4人1組………………。まずは理沙でしょ?あとの人はどうしよう。入学してから日が浅いから友達いないしなぁ………。

まぁ、普通に問題のない人なら誰でもいいんだけど。

理沙に任せるか。

「美桜ー!」

「あ、理沙」

ちょうどいいタイミング!

「あのね、なんかあそこにいる男子がさー、一緒の班にならないかってさ」

そこにいる男子?

理沙の視線の先をチラッと見ると、2人の男子がこちらを見て立っていた。

「私は別にいいけど?ちょうど理沙に任せるって言おうとしてたんだ」

「あ、そうなの。じゃあ、あの2人で決定?他にいないし」

1人は短髪で身長も高く、パッと見た感じ好青年って感じ。雰囲気は悪くはない。

もう1人は茶髪でワックスで遊ばせた感じの髪型。少しチャラそうな見た目だが、これでもA組だから割としっかりしてるのかも。

「俺は国東 星矢(くにさき せいや)。よろしく!」

好青年君は、国東星矢というらしい。

彼がするニコニコスマイルからは爽やかさを感じる。

「俺は千葉 成海(ちば なるみ)。なるみんって皆からは言われてるぜ」

なるみん……………なんか可愛らしいあだ名ね。

「よろしく。国東くん。千葉くん」

「そんな堅苦しくならずに軽く行こうぜ(笑)」

「え?」

「下の名前呼びって事だよ」

「じゃあ…………星矢くんと成海くん?」

「そうそう!!よろしくな!!!」

なんかフレンドリーな人たち…………。

でも、仲良くなれた感じで嬉しいかも。

「ふふっ。よろしくね!」

「よ、よろしく………///」

あれ?星矢くんどうしたんだろ?

顔真っ赤で…………………あ!!

「まさか、星矢くん熱あるな?保健室言っておいでよ!」

勉強しすぎると、たまに熱とか出るよね。分かる。

「美桜………………それはなんか違う気がする………」

「え?」

何が違うんだろう?

だって顔赤いし、そう思えば少し様子が変だった気もする……………って違うの?

「これだから鈍感は………」

鈍感?何が?

私、理解できてません!!

これでも察知能力高い方だって、自負してたんだけどなぁー………。

「あ、美桜ちゃんと理沙ちゃんの連絡先教えてよ?連絡とか困るし、LALAチャットしてたらグループ作るよ」

あ、LALAチャットなら高校進学祝いに買い直してもらった新型の携帯で使えるって言って、確か理沙が入れてくれたやつだよね?

メールより手軽にやり取りが出来て、可愛いスタンプも送れるとか………………。

まだ、両親と理沙、そして中学の頃の友達数名しか入ってないけど。

「フルフルでいい?」

「フルフル?」

「うん。ここを開いて、そうそう。それで、携帯を振るんだ」

へー。今時こんなので、友達追加出来るんだ!

時代の流れ怖い!!………………って、まだ15歳だけど(笑)

9月1日で、16歳なるよー!

って、どうでもいいね(笑)

「じゃあ、皆の入れたしグループ作るから後で入ってね〜!」

「わかった」

これで連絡方法は困らないね!

あ、そういえば!

颯真は誰と班を組んだんだろう?

ここの友達関係とか知らないし、どんな人が友達なのかスゴく興味あるんだけど(笑)

颯真…………颯真……………………あ、いた。

あの場所から1歩も動いてないじゃん。