いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防

「思い込みって怖いな……」

はぁぁと深いため息を大きく吐き出した涼介が、がっくりとうな垂れた。

「思い込み……?」

「でしょ?確かにモテてなかったとは言わないけど、彼女がいたわけでもデートしまくってたわけでもない。それどころか、湊以外の特定の女子と二人でじっくり話し込んだことさえないよ?」

「あ、うん。そういえば、そうかも……」

今まで真実だと思っていた事が違っていたと言われても、急に上手くは飲み込めない。それよりも、モテるという事実を女性に慣れている事とイコールで繋いでしまっていた自分にびっくりしてしまった。

「あの、なんか、その……ごめんね」

どうしてだかはまだ謎だけど、私の思考回路の問題で涼介をプレイボーイのように認識していたのは申し訳ない。素直に謝まると、がばっと包み込むように涼介に抱きしめられた。