いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防

「仕事?仕事って結婚式場のウェブデザインするの?」

「違う。詳しくは……後で教えてやるから、大人しく隣で笑ってて」

私達に気付いたフェアの係員が礼儀正しくお辞儀してくれたタイミングで、会話は一時中断になった。

恋人設定なのだろう、涼介は私を優しくエスコートしつつ華々しく飾られた会場を興味深そうに歩きだした。最初連れられるがままだった私も、途中からその華やかさに魅せられていく。

「うわぁー」

模擬披露宴会場も素晴らしかったが、私が一番感動したのはチャペルだった。
真っ白い森をイメージしたそこは、落ち着くのに幻想的な不思議な空間で、思わず感嘆の声が出てしまう程。

「こういうの好き?」

「うん、好き」

全体が白なのに椅子や床だけが木目なのもセンスが良い。きっと女子はみんな憧れるだろう。